yujinkoyamaのブログ

世界芸術家辞典掲載作家 小山右人 Yujin Koyama 小説と絵画作品の紹介など

東京への密度濃い一泊

思い立ったが吉日で、週末、実に久しぶりに東京へトンボ返りを決行しました! 住処の下北沢は、なんと若者でごった返していること! 数ヶ月、自宅と医院に閉じこもって仕事やつれした体には、人混みはきついほど。
 猫たちが懐かしがって戯れてくるのには感激。真っ白なシャンティーの毛がフワフワで、周囲と幻想的に溶け合っているのに、ふと、こんな柔らかな表現を、自分の画風で挑戦して、キャンバスに実現してみたいという閃き。
 アトリエにどっぷり腰を下ろし、絵画作品に囲まれると、自分のもう一つの世界がここにあると心揺さぶられました。
 しかし、医師の仕事もとても投げ出せない状況。ありがたいことに口コミ評価で「5」をいただいています。
 斜め向かいの数億円の豪邸に一人住まいだった名物老女が突然死したとのこと。超豪邸に住もうと、誰にも避けられない宿命。しかし、あの気さくな笑顔が、甲高い声でもう話しかけて来てくれないと思うと寂しい。
 ぼくの小説を英語に翻訳してくれた名翻訳家のA氏が62歳で突然死した時の衝撃を思い出しました。以後、英語への信頼できる翻訳家が見つからず、ずっと困っています。
 突然の思いつきでしたから、約束して人に会うことも出来ず残念でした。その中でも連絡が途切れなかったフランス語の先生は、素敵な彼氏ができて、都心の一等地へ引っ越すとのこと。彼女と最初に出会ったのは、もう6年も前のこと。なんとなくくたびれている風で、自分の娘みたいに肩入れしてやらなければ、とお節介な気持ちを起こさせる人で、すっかり溌剌としたパリジェンヌに甦っていました。おめでとう!
 帰り間際、下北沢で一箱の書店を出しているBOOKSHOP TRAVELLERに、実に数ヶ月ぶりに辛うじて顔を出すことができました。幻想的な絵画個展と書店の組み合わせに、どっぷりカルチャーに浸れる雰囲気。やはり東京だな! 店主の和氣氏も、とても懐かしく応対してくださり、あの暑い夏の晩、映画撮影のためロケ地とさせていただいた画廊での展示以来となる再会、感激ひとしきりでした。
 その映画「牙の曲線」も編集のピークを迎え、もうまもなく公開されようとしています。やはり、東京の、世界の中心地、下北沢から発信したいものだと、つくづく感じ入った次第です。
 一泊の駆け足逗留でしたが、密度の濃い時間でした。