精神医学の学会ポスター
精神医学の学会ポスター絵画の依頼
敬愛する精神医学のH教授から直々のご依頼があった。今度の学会は、ピーターパン症候群が大きなテーマとなるので、ぼくに是非ピーターパンの絵を描いて欲しいとのこと。
ぼくの画風には馴染みにくい主題であることを先生は重々ご承知の上で、この冒険的な試みを授けられた。
知の世界のスーパースターが、わざわざ下北沢までおいで下さって、有意義なお話と共にイメージを膨らます時を一緒に過ごされた。限りなく密度の濃い時間だった。
ぼくの中に、ある熱い思いが生まれた。学会のイメージを担う大役を引き受ける意気込みばかりではない。子供の頃、飛ぶことへの強烈な憧れを抱かせたあまりにも有名なキャラクターを、この年になってもまだ飛べない自分の中で、もう一回噛み締めてみること。
もしかしたら永遠の子供なのかもしれない自分にとって、それは意義のあることかもしれない。そして多くの飛び立てない同類たちにエールを送る思いも込めて、「ヴォレ! ピーターパン」と画題をつけた。
(菱田春草の「黒き猫」を見た翌日に記す)